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医師賠償責任保険の乗り換えで注意すべきこと

医師賠償責任保険には、多くの医師が加入していると思います。
毎年5万円ほどの支払いは、重い負担ですよね(しかも経費にできない)。

 

どの会社も補償金額は横ばいですので、職場や大学の同窓会などで斡旋されたものに、なんとなく加入し始めるかと思います。一方で、職場の斡旋で加入した場合は、異動に伴って団体割引の対象から外れてしまうデメリットがあります。

 

いろいろな理由で他社に乗り換える場合に、注意したほうがいいことについて、ご紹介します。

 

 

契約を切り替える際は、補償期間が途切れないように注意

 

賠償責任保険には、以下の2種類があります。

 

①発見ベースとなるもの

②請求ベースとなるもの

 

①は事故を「発見」「認識」したのが保険期間中であれば、補償されます。
保険期間中に事故が発生し、すぐに気づいた場合はもちろん対象になります。

 

問題は事故の発生と発見にタイムラグがある場合です。

保険期間前に発生していたものに対しても、発見・認識が保険期間中であれば対象とされるのが一般的です。


逆に発生が保険期間内でも、保険脱退後に発見・認識された場合は、対象になりません。もし定年退職して医業を行わなくても、その後数年は加入し続けないと不安が残ります(テールカバーという制度がある保険であればよいのですが…)。

 

ときどき、②の損害賠償請求時点を基準にしている保険があります。例えば、日本医師会の保険がそうです。

これは保険期間中に損害賠償請求がされることを、支払いの対象にしているものです。

 

事故の発見から損害賠償請求にはタイムラグがあると思います。

①や②同士で他社に切り替える場合は、大きな問題となる可能性は低いですが、②→①で切り替える場合は注意が必要です。

 

例えば、②の保険加入時点で事故を発見・認識している(認識しうる)ものの、損害賠償請求はされていない場合を考えてみます。その後に①の保険に切り替え、切り替え後に損害賠償請求をされた場合は、どちらの保険からも「対象外」と言われてしまうリスクがあります。

 

途切れなく加入していれば安心…というわけではないのですね。

契約にあたっては、補償金額だけでなく、補償対象や特約などについてもしっかり確認しましょう。